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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
薬と毒の知識を持つ少女・猫猫(マオマオ)が、その知識や観察眼で後宮で巻き起こる事件や謎を解き明かす人気作品『薬屋のひとりごと』。怪事件の全容が明らかになっていく様が痛快で、さらに後宮内の複雑な人間関係もその魅力のひとつです。
原作は日向 夏先生のライトノベルで、2023年にアニメSeason1が放送され、2025年1月よりアニメSeason2が2クール連続で放送されています。
本稿では、四夫人の中で最も若い妃である「徳妃」里樹妃(リーシュひ)の情報をまとめました。基本プロフィールに加えて、性格や人柄、生い立ち・後宮での立場、阿多妃との関係、仕える侍女についてなど一挙にお届けしていきます。
※本稿には重要なネタバレが含まれます。
年齢:14歳 ※数え年(物語スタート時)
位:四夫人「徳妃」
住まい:金剛宮(こんごうきゅう)
氏族:卯の一族
後宮内で最も位の高い上級妃に座する里樹妃ですが、中身は年相応の幼い少女。上級妃という立場から気丈に振る舞う場面もありますが、基本的には気が弱く、大人しい性格です。
また、他の上級妃3人が妃として優秀であるため、最年少であることも相まって引け目や自信の無さを感じている様子。作中でもオドオド、ビクビクする様子が何度も描かれています。
感情を隠すことが苦手でわかりやすすぎるほどすぐ顔に出てしまい、場合によっては人目をはばからず大泣きすることも。様々な思惑が絶えない後宮においては心配な里樹妃ですが、裏表のない言動は本作において珍しいキャラクターであり、愛らしいお姫様といえるでしょう。
里樹妃の父は非常に野心家で、彼女は9歳という若さで重度の幼女趣味であった先帝の妃として後宮に入れられました。しかし、間もなく先帝が亡くなり、お手付きとなる前に未亡人に。その後一度出家したのち、現帝の妃として再度後宮に戻ったのです。
現帝が妃として彼女を迎え入れたのは、彼女が南の太守と政略結婚させられようとしていたことを哀れに思ったためで、上級妃とはいえ彼女に手を出すつもりは全くありません。むしろ保護者的な立場であり、幼い頃から知る彼女の幸せを純粋に願っているようです。
ちなみに、里樹妃の母は彼女が幼い頃に亡くなっています。本家の娘であった母は、現帝や阿多妃(アードゥオひ)、壬氏の従者・高順(ガオシュン)とは幼馴染です。
現在は現帝の上級妃同士という立場の里樹妃と阿多妃ですが、以前は嫁姑の関係でした。先帝の妃だった9歳の里樹妃が姑で、その息子・現帝の妃である阿多妃が嫁という立場です。
とても複雑な関係のため険悪な仲かと思われますが、実際はそうではなく、幼くして親元から離された里樹妃は母親のように阿多妃のことを慕っています。第一子出産時に子宮を失い、さらに産んだ子も失った阿多妃もまた、里樹妃のことを娘のように可愛がっており、幼い里樹妃の元に先帝が通わないよう守っていたのも彼女でした。
阿多妃が後宮を去る際には、人目をはばからず後を追いかけ、涙を流していた里樹妃。彼女を見る阿多妃の顔は慈悲にあふれまるで母親のよう。それを見ていた猫猫は2人の間に親子のような絆を感じています。
初めて会ったのは冬の園遊会。魚介アレルギーがある里樹妃は、侍女たちから嫌がらせで玉葉妃の膳とすり替えられてしまいます。公の場で食事が残せないため無理して食べたところ、それを察した猫猫が彼女の身体に出た蕁麻疹を指摘し、彼女本人と毒見役の侍女に、今後口にすることのないよう強く忠告しました。
その後、後宮内の事件捜査をする中で猫猫は何度か里樹妃の元を訪ねていますが、変わり者だからなのか、猫猫に対してオドオドした態度で怖がっている様子を見せています。とはいえ、アレルギーの件をはじめたびたび猫猫に救われているため、信頼はしているようです。
上級妃であるため複数人(人数は不明)の侍女を仕えている里樹妃ですが、まだまだ幼く世間知らずであることに加え、亡き夫の息子に嫁ぐ節度の無さや皇帝の通いがないことで侍女たちに非常に軽んじられており、虐めを受けています。
園遊会で膳をすり替えられたことに加え、場に相応しくない衣装を着せて恥をかかされたり、湯あみの際には好みの温度ではなく熱めのお湯を用意されたりと、侍女たちに忠誠心はまるでありません。元・侍女頭に至っては下賜と偽って里樹妃の簪を奪うほど彼女のことを蔑んでいます。
しかし、表面的には味方のふりをする侍女たちに、お嬢様育ちの里樹妃は騙されており、物語開始当初は虐められているという自覚もない様子。しかし、時が経つにつれて侍女たちが自分を良く思っていないことを察しはじめています。
侍女頭を務める河南は元々毒見役の侍女でした。他の侍女同様、里樹妃を軽んじて嫌がらせをしていたのですが、園遊会での膳すり替えのことを猫猫に忠告されてからは心を入れ替えたようで、里樹妃をきちんと主として扱い、大切にするようになりました。
以前は別の者(簪を奪った人物)が侍女頭をしていましたが、人事異動が行われ、河南が侍女頭となったようです。猫猫は、この人事異動の原因を自分が高順に金剛宮での妃いじめを報告したからだと推測しています。
幼い頃から不遇な人生を歩み、現在も後宮内どころか住まいである金剛宮の中でも冷遇されている里樹妃。ようやく河南という味方ができたことで、彼女が少しでも幸せに暮らせればと願わずにいられません。
阿多妃の侍女頭・風明は産後の肥立ちの悪かった主に代わって生まれた子の世話をしていました。彼女は滋養に良い蜂蜜を子に与えますが、乳児にだけ効く毒(ボツリヌス菌)のことを知らなかったため、子を死なせてしまいます。
阿多妃を心から慕っていた彼女は、そのことを絶対に知られたくありませんでした。ところが、彼女の前に蜂蜜の毒のことを知る里樹妃が現れました。里樹妃自身が赤ちゃんの頃に蜂蜜を食べてボツリヌス症になって生死の境をさまよっているのです。
仲が良い里樹妃から阿多妃が蜂蜜の毒のことを聞くことを恐れた風明は、園遊会で里樹妃の膳に毒を盛り、暗殺を計画。しかし、膳がすり替えられたことでその目論見は失敗に終わり、動機もろとも猫猫に暴かれます。
しかし全てを白日の下に晒すべきではないと猫猫が判断したため、表向きには「後宮を去ることになった阿多妃の地位を保守するため里樹妃を退けること」を目的とした犯行だったとされています。
里樹妃を演じるのは木野日菜さんです。2月12日生まれ、埼玉県出身。『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』の鳳えむ役をはじめ、『あそびあそばせ』の本田華子役など、数々の人気作品に出演しています。
作品名 | 薬屋のひとりごと |
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スケジュール | 2023年10月21日(土)〜2024年3月23日(土) 日本テレビ系にて |
あらすじ | 大陸の中央に位置するとある大国。その国の帝の妃たちが住む後宮に一人の娘がいた。 名前は、猫猫(マオマオ)。 花街で薬師をやっていたが、現在は後宮で下働き中である。 ある日、帝の御子たちが皆短命であることを知る。 今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っている話を聞いた猫猫は、興味本位でその原因を調べ始める。呪いなどあるわけないと言わんばかりに。 美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫を帝の寵妃の毒見役にする。 人間には興味がないが、毒と薬の執着は異常、そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。 きれいな薔薇にはとげがある、女の園は毒だらけ、噂と陰謀事欠かず。 壬氏からどんどん面倒事を押し付けられながらも、仕事をこなしていく猫猫。 稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。 |
話数 | 全24話 |
キャスト | 猫猫(マオマオ):悠木碧 壬氏:大塚剛央 高順:小西克幸 玉葉妃:種﨑敦美 梨花妃:石川由依 里樹妃:木野日菜 阿多妃:甲斐田裕子 梅梅:潘めぐみ 白鈴:小清水亜美 女華:七海ひろき やり手婆:斉藤貴美子 羅門:家中宏 李白:赤羽根健治 小蘭:久野美咲 やぶ医者:かぬか光明 馬閃:橘龍丸 風明:日髙のり子 羅漢:桐本拓哉 翠苓:名塚佳織 陸孫:内山昂輝 鳳仙:桑島法子 皇太后:能登麻美子 子昌:チョー ナレーション:島本須美 |
スタッフ | 原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊) キャラクター原案:しのとうこ 監督・シリーズ構成:長沼範裕 副監督:筆坂明規 キャラクターデザイン:中谷友紀子 色彩設計:相田美里 美術監督:髙尾克己 CGIディレクター:永井有 撮影監督:石黒瑠美 編集:今井大介 音響監督:はたしょう二 音楽:神前暁 Kevin Penkin 桶狭間ありさ アニメーション制作:TOHO animation STUDIO×OLM 製作:「薬屋のひとりごと」製作委員会 |
主題歌 | OP1:「花になって」緑黄色社会 OP2:「アンビバレント」Uru ED1:「アイコトバ」アイナ・ジ・エンド ED2:「愛は薬」wacci |
電子書籍 |
『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』電子書籍(コミック) 『薬屋のひとりごと』電子書籍(コミック) |
作品名 | 薬屋のひとりごと 第2期 |
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スケジュール | 2025年1月10日(金)〜 日本テレビ系にて |
あらすじ | 帝の寵妃・玉葉妃の妊娠判明により、猫猫は翡翠宮の毒見役に復帰。 妃、そして帝の御子を狙った事件が再び起きないよう警戒をしながら、日々を送っていた。 先帝時代からの重臣を父にもつ新たな淑妃・楼蘭妃の入内、壬氏の命が狙われた、前代未聞の未解決事件、そして消えた容疑者・翠苓。 不穏な空気が晴れない中、外国からの隊商、さらには無理難題な要求をする特使も来訪。宮中にはさらなる暗雲が立ち込め始めていた。 猫猫と壬氏を待ち受ける新たな難事件。それらは、やがて国をも巻き込む一大事件へと発展していくー |
キャスト | 猫猫:悠木碧 壬氏:大塚剛央 高順:小西克幸 玉葉妃:種﨑敦美 梨花妃:石川由依 里樹妃:木野日菜 小蘭:久野美咲 子翠:瀬戸麻沙美 姶良:Lynn 愛凛:原由実 羅半:豊永利行 ナレーション:島本須美 |
スタッフ | 原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊) キャラクター原案:しのとうこ 総監督・シリーズ構成:長沼範裕 監督:筆坂明規 副監督:中川航 脚本:柿原優子 千葉美鈴 小川ひとみ キャラクターデザイン:中谷友紀子 美術監督:髙尾克己(ARED) 色彩設計:相田美里 CGI ディレクター:永井有 撮影監督:鈴木麻予(T2 studio) 編集:今井大介 音響監督:はた しょう二(サウンドチームドンファン) 音楽:神前暁 Kevin Penkin 桶狭間ありさ アニメーション制作:TOHO animation STUDIO×OLM 製作:「薬屋のひとりごと」製作委員会 |
主題歌 | OP1:「百花繚乱」幾田りら OP2:「クスシキ」Mrs. GREEN APPLE ED1:「幸せのレシピ」平井大 ED2:「ひとりごと」Omoinotake |
電子書籍 |
『薬屋のひとりごと(スクウェア・エニックス)』電子書籍(コミック) 『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(小学館)』電子書籍(コミック) 『薬屋のひとりごと』電子書籍(ラノベ) |
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。