この記事をかいた人

- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。

薬と毒の知識を持つ少女・猫猫(マオマオ)が、その知識や観察眼で後宮で巻き起こる事件や謎を解き明かす人気作品『薬屋のひとりごと』。怪事件の全容が明らかになっていく様が痛快で、さらに後宮内の複雑な人間関係もその魅力のひとつです。
原作は日向 夏先生のライトノベルで、2023年にアニメSeason1が放送され、2025年1月よりアニメSeason2が2クール連続で放送されています。
本稿では、虫好きな下女・子翠(シスイ)の情報をまとめました。基本プロフィールに加えて、性格や人柄、猫猫との関係、さらに、謎の女官・翠苓との関係、その正体についてなどを一挙にお届けしていきます。
※本稿には重要なネタバレが含まれます。
年齢:不明
所属:下女(尚服担当?)
住まい:不明
氏族:不明
活発で明るく、人懐っこい性格の子翠。彼女は無類の虫好きで、毛虫や蜘蛛といった多くの女官たちが苦手とするような虫も「可愛い」といって愛でており、後宮内でも頻繁に虫を捕獲、観察しています。自前のノートには繊細なスケッチがたくさん描かれ、その腕前も猫猫が感心するほどです。
虫のこととなると周りが見えなくなるようで、「笑いながら虫を集めている変な女がいる」と後宮内で噂になったりもしているよう。虫を捕まえるため雑木林を駆け回り、虫について語り始めると止まらない、そんな彼女からは虫へのそこはかとない愛を感じます。
一方で、人当たりがよく社交的な長所を生かして、普段関わることのない妃と浴場でのマッサージを通じて繋がりを作ろうとするなど、抜け目がない一面も持っています。
人好きする性格の子翠は同じ下女たちとも仲良くしているようですが、小蘭いわく「神出鬼没」だとか。確かに作中の描写でも彼女は思わぬ場所に前触れなく現れることが多く、隊商(キャラバン)の商店前で猫猫とバッタリ会ったり、猫猫と小蘭が突如氷菓を作ることになった際には「騒がしかったから仕事放り出してきた」と突然やってきたりと、その登場に驚かされることも少なくありません。
また、彼女がどこに所属している下女なのかも不明のまま。小蘭と同じ服を着ていることから尚服(洗濯)を担当している事が推測されますが、彼女が実際に洗濯(仕事)をしている描写は今のところ登場していません。
2人が出会ったのは、猫猫が玉葉妃の娘・鈴麗の散歩に同行した際のこと。鈴麗が野良猫を追いかけた先にいたのが子翠でした。その後、隊商の店の前で再会し、小蘭を入れた3人で仲良くなりつるむようになります。
虫と薬で分野は異なるものの、虫も薬の原料になることや熱心になれるものがあること、研究者肌なところなど共通点が多く馬が合ったようで、友達と呼べる仲になった猫猫と子翠。
西方の特使を迎えた宴で蛾を使った演出を考えついたのも、子翠から蛾の生態を聞いたためです。その際、雌雄の判別を子翠に頼んでおり、猫猫にとっては頼れる友人と言えるでしょう。
読み書きができない下女が大半のなか、文字の読み書きができるうえに貴重な紙の帳面を使って虫の絵を描く子翠。猫猫は彼女から育ちの良さを感じていたようですが、それもそのはず。彼女の正体は、四夫人「淑妃」の楼蘭妃です。先帝時代からの重臣である子昌の一人娘である楼蘭は、父のごり押しで上級妃として輿入れされました。
50人以上の侍女を連れて入内し、毎日全く雰囲気の違う服、化粧、髪型にする「変わり者」として噂になっていた楼蘭でしたが、それは楼蘭が侍女と入れ替わってもバレないようにするためだったようです。記録上、後宮には子翠という下女は存在すらしていませんでした。
妃である楼蘭が下女に扮していたのは、間諜(スパイ)として後宮内で情報を集めるためです。宦官になりすまして後宮に入り込んでいた別の仲間と共に後宮内で暗躍し情報収集するとともに、王族後継者の暗殺(妃の堕胎含む)を目論んでいたようです。
楼蘭のバックにいる黒幕は、母・神美。子一族の本家の娘である彼女は、かつて先帝の妃として召し上げられたことがあり、国母となる野心を持って入内しました。しかし、重度の幼女趣味を持つ先帝は16歳の神美ではなく、より幼い侍女・大宝(タイホウ)に手を出し、彼女は妊娠までしてしまいます。大宝は女児を産み国母とはならなかったものの、男児を産んだ別の妃(現帝の母)が皇后になったため、神美の野望は叶わぬものとなりました。
そのことで自尊心が激しく傷つけられた神美は、元々強気だった性格が酷く歪んだものとなり、先帝だけでなく現政権にも強い恨みを持つように。その後、子昌に下賜され結婚して楼蘭が産まれるのですが、彼女の中の恨みは消えておらず、娘を妃として後宮に送り込みます。
娘が皇后となることで母である自分が実権を握り、国を乗っ取ろうと考えたものの、結局は一族を巻き込んだクーデターを起こしたため、子一族は国賊として討伐対象に。神美を愛していた子昌は、後宮で辛い思いをした彼女を敢えて止めなかったものの、先帝時代から支えてきた国を捨てることもできなかったため、自ら国賊を演じて討伐されることで一族の膿を出し切る算段だったようです。
父の聡明さを受け継いだ楼蘭もまた、子を利用して父を食い物にする醜悪な母のようになりたくないという思いから、堕胎剤を服用して皇帝の子を身籠らないようにしており、母が計画するクーデターも内部から壊してしまいます。そして、父同様最後まで悪女を演じ切り、銃で撃たれた後、砦の屋上から落下。雪深い冬だったためか死体は見つかっていませんが、国は楼蘭は死んだものとしています。
王位継承者暗殺を企て、その後毒をあおって自殺したと見せかけて仮死状態から蘇り、行方をくらませた女官・翠苓。彼女は子翠の仲間で、一緒に後宮内を暗躍していました。先述の宦官に成りすました仲間が翠苓です。子翠が浴場でマッサージをしていたのも、宦官として湯運びの仕事をする翠苓と接触しやすくするためだと猫猫は推測しています。
子翠と翠苓の関係は異母姉妹。子翠という名前も元々は翠苓の名前でした。父・子昌は後宮に行った神美を一途に想い続けるがゆえに独身を貫いていたのですが、皇帝から自分の娘を妻に迎え入れてほしいと頼まれたため断ることができずに結婚し、2人の間に翠苓(当時の名は子翠)が生まれます。
その後、子昌は下賜された神美を後妻として迎え入れたのですが、後宮で自尊心がボロボロになった神美は翠苓母娘の存在が疎ましくて仕方がなく、母娘に対しきつく当たり、翠苓は子翠という名前までも奪われることに。
一方、娘の楼蘭は姉の存在を嬉しく思い、積極的に関わっていたようで、現在も翠苓のことを「姉さま」と呼んで慕っています。
子翠を演じるのは瀬戸麻沙美さんです。4月2日生まれ、埼玉県出身。『ちはやふる』の綾瀬千早役をはじめ、『呪術廻戦』の釘崎野薔薇役など、人気作品のキャラクターを多く演じています。
| 作品名 | 薬屋のひとりごと |
|---|---|
| スケジュール | 2023年10月21日(土)〜2024年3月23日(土) 日本テレビ系にて |
| あらすじ | 大陸の中央に位置するとある大国。その国の帝の妃たちが住む後宮に一人の娘がいた。 名前は、猫猫(マオマオ)。 花街で薬師をやっていたが、現在は後宮で下働き中である。 ある日、帝の御子たちが皆短命であることを知る。 今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っている話を聞いた猫猫は、興味本位でその原因を調べ始める。呪いなどあるわけないと言わんばかりに。 美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫を帝の寵妃の毒見役にする。 人間には興味がないが、毒と薬の執着は異常、そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。 きれいな薔薇にはとげがある、女の園は毒だらけ、噂と陰謀事欠かず。 壬氏からどんどん面倒事を押し付けられながらも、仕事をこなしていく猫猫。 稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。 |
| 話数 | 全24話 |
| キャスト | 猫猫(マオマオ):悠木碧 壬氏:大塚剛央 高順:小西克幸 玉葉妃:種﨑敦美 梨花妃:石川由依 里樹妃:木野日菜 阿多妃:甲斐田裕子 梅梅:潘めぐみ 白鈴:小清水亜美 女華:七海ひろき やり手婆:斉藤貴美子 羅門:家中宏 李白:赤羽根健治 小蘭:久野美咲 やぶ医者:かぬか光明 馬閃:橘龍丸 風明:日髙のり子 羅漢:桐本拓哉 翠苓:名塚佳織 陸孫:内山昂輝 鳳仙:桑島法子 皇太后:能登麻美子 子昌:チョー ナレーション:島本須美 |
| スタッフ | 原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊) キャラクター原案:しのとうこ 監督・シリーズ構成:長沼範裕 副監督:筆坂明規 キャラクターデザイン:中谷友紀子 色彩設計:相田美里 美術監督:髙尾克己 CGIディレクター:永井有 撮影監督:石黒瑠美 編集:今井大介 音響監督:はたしょう二 音楽:神前暁 Kevin Penkin 桶狭間ありさ アニメーション制作:TOHO animation STUDIO×OLM 製作:「薬屋のひとりごと」製作委員会 |
| 主題歌 | OP1:「花になって」緑黄色社会 OP2:「アンビバレント」Uru ED1:「アイコトバ」アイナ・ジ・エンド ED2:「愛は薬」wacci |
| 電子書籍 |
『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』電子書籍(コミック) 『薬屋のひとりごと』電子書籍(コミック) |
| 作品名 | 薬屋のひとりごと 第2期 |
|---|---|
| スケジュール | 2025年1月10日(金)〜2025年7月4日(金) 日本テレビ系にて |
| あらすじ | 帝の寵妃・玉葉妃の妊娠判明により、猫猫は翡翠宮の毒見役に復帰。 妃、そして帝の御子を狙った事件が再び起きないよう警戒をしながら、日々を送っていた。 先帝時代からの重臣を父にもつ新たな淑妃・楼蘭妃の入内、壬氏の命が狙われた、前代未聞の未解決事件、そして消えた容疑者・翠苓。 不穏な空気が晴れない中、外国からの隊商、さらには無理難題な要求をする特使も来訪。宮中にはさらなる暗雲が立ち込め始めていた。 猫猫と壬氏を待ち受ける新たな難事件。それらは、やがて国をも巻き込む一大事件へと発展していくー |
| 話数 | 全24話 |
| キャスト | 猫猫:悠木碧 壬氏:大塚剛央 高順:小西克幸 玉葉妃:種﨑敦美 梨花妃:石川由依 里樹妃:木野日菜 小蘭:久野美咲 子翠:瀬戸麻沙美 姶良:Lynn 愛凛:原由実 羅半:豊永利行 神美:深見梨加 ナレーション:島本須美 |
| スタッフ | 原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊) キャラクター原案:しのとうこ 総監督・シリーズ構成:長沼範裕 監督:筆坂明規 副監督:中川航 脚本:柿原優子 千葉美鈴 小川ひとみ キャラクターデザイン:中谷友紀子 美術監督:髙尾克己(ARED) 色彩設計:相田美里 CGI ディレクター:永井有 撮影監督:鈴木麻予(T2 studio) 編集:今井大介 音響監督:はた しょう二(サウンドチームドンファン) 音楽:神前暁 Kevin Penkin 桶狭間ありさ アニメーション制作:TOHO animation STUDIO×OLM 製作:「薬屋のひとりごと」製作委員会 |
| 主題歌 | OP1:「百花繚乱」幾田りら OP2:「クスシキ」Mrs. GREEN APPLE ED1:「幸せのレシピ」平井大 ED2:「ひとりごと」Omoinotake |
| 電子書籍 |
『薬屋のひとりごと(スクウェア・エニックス)』電子書籍(コミック) 『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(小学館)』電子書籍(コミック) 『薬屋のひとりごと』電子書籍(ラノベ) |

1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。
