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- おかもとみか
- 2021夏デビューのオトナ女子新人ライター。ミドル層の男性声優さん関連記事を書くことが多いです。

花街は「妓楼」と呼ばれる、芸事や体を売って金銭を得る女性=妓女を管理する店が軒を連ねる街です。「遊郭」とも呼ばれていて、男性が金銭を払って女遊びをしに行く場所です。
「茘」では、宮廷の外に位置する街で、宮廷からそれほど遠くありません。
ここでは、猫猫が生まれ育った花街でよく使われる言葉を解説します。
演舞や二胡演奏・詩歌を詠むような芸事を売る者、客と肉体関係を持つという「体」を売る者を「妓女」と呼びます。
そんな妓女たちを管理し、客に売るのが「妓楼」と呼ばれる店です。猫猫が生まれた「緑青館」も妓楼のひとつ。
経営者である「やり手婆」を筆頭に、妓女、男性従業員、妓女見習いの幼い少女たちがおり、食事や酒なども客にふるまっています。
妓女の見習いとして妓楼で働く少女たちの呼び名です。妓女たちの身の回りの世話を手伝いながら芸事や接客を学んでいきます。
多くは貧しい家の出身で、借金の肩代わりに身売りされて来る者も多いようですが、花街でスター扱いされる妓女の華やかな姿に憧れてやって来る少女もいるようです。
多くの妓女は店に借金があり、借金返済のために働いていますが、客がその借金を肩代わりして店に払うことで、妓女をやめて客の家庭に入ることなどを「身請け」と言います。
身請けに必要な金額は妓女によって異なり、多くの場合はその店の「やり手婆」が、将来的にその妓女が稼ぐはずだった金額に、お祝い金のような意味合いの金額を上乗せして算出するようです。
妓女の健康状態等によっては割引も行われており、決まった金額はないようです。
”規模の大きな商店”を表わす言葉ですが、花街では財力のある客、つまり「太客」を指します。金払いのいい客として、妓楼でもありがたい存在であり、妓女の身請け先としても申し分ないとされています。
客からの指名がないこと、つまり妓女が暇な状態を指します。
花街で客からの指名がない妓女が茶葉を揉んでいたことから「茶引き」と呼ばれるようになったようです。
芸事で客を楽しませる「芸妓」とは反対に、毎晩客に体を売って金銭を得る妓女・遊女を指す言葉です。
妓女の中でも待遇が低く、ひと晩に何人も客を取らないと稼げない妓女もいます。
銃のこと。初期の頃は火縄により着火させて撃っていたため、次の弾を撃つまでにラグが生じていましたが、その後改良され、火打ち石のようなものですぐに次の弾が撃てるようになっています。
音だけで聞くとわかりづらいですが、漢字で書くとおり「醜い」容姿をした女性を指す言葉です。
治安のよくない花街で暮らしていた猫猫は、あえてそばかすの化粧をして「醜女」を演じることで、男性の目を惹かないように生活していました。
「紙」代わりに使っている、木を材料とした札のような形状をしているもの。紙が高級品であり大変貴重なため、庶民はもちろん宮廷でもこの木簡を何度も再利用して文のやり取りなどをしています。
実は、後宮のやぶ医者「虞淵(グエン)」の実家では、宮廷御用達の高級な紙を製造しており、昔は大変裕福であったようです。
『薬屋のひとりごと』の舞台は架空の国です。
作品序盤こそ、宮廷や後宮での出来事が描かれていますが、砂漠を渡ってやって来る隊商(キャラバン)や隣国の特使なども登場し、徐々に他国との関わりも出てきます。
ここでは、そうした地域名等を簡単に説明していきます。
現在、猫猫たちが住んでいる国。
華州を都とする国で、「中央」とも呼ばれています。
茘の北側にある森の向こうに位置しています。帝の直轄の地域ではないため、楼蘭妃の父・子昌(シショウ)を当主とする「子(シ)の一族」が治めています。
北側にあるため避暑地として壬氏も訪れていて、その狩りの最中に命を狙われた場所でもあります。
茘の西側に位置する国。玉葉妃の出身地で、乾いた土地で作物があまり育たないため、交易の中継地点として栄えています。
現在は、玉葉妃の父親である「玉袁(ギョクエン)」がこの国を治めています。
西都よりもさらに砂漠寄りの国。特使として茘を訪れた双子の美人姉妹は、この国の人です。西洋との混血の人が多いため、美男美女が多いようです。
アニメ放送からこの『薬屋のひとりごと』に触れた方々にとっては、音声からの情報しかないため、最初は難しく感じる用語もたくさんあったのではないでしょうか。
しかしながら、この作品のみに使われているようないわゆる「造語」は国の名前以外ほとんどありません。作品自体が中華風のテイストであったり、日本の江戸時代以降でも存在した風習などもあるため、文字情報を知るとより雰囲気を察せられるかと思います。
本作は2誌でコミカライズされているほか、原作であるライトノベルも人気の作品です。興味がある方はぜひ、別媒体で『薬屋のひとりごと』に触れてみてもよいかもしれませんね。
(小説・コミックの商品情報)
[文/おかもとみか]

2021夏から駆け出した新人ライター。大人になってから乙女ゲームに触れたことがきっかけで、男性声優さんに興味を持ち、本格的にアニメを見始めた文学部出身のオトナ女子。初めての乙女ゲームは『ときめきメモリアルGirl's Side(1st)』。作品などの聖地巡礼やコラボカフェも好き。ミドル層の男性声優さんやKiramuneレーベルについての記事を書くことが多いです。

| 作品名 | 薬屋のひとりごと |
|---|---|
| 放送形態 | TVアニメ |
| スケジュール | 2023年10月21日(土)〜2024年3月23日(土) 日本テレビ系にて |
| 話数 | 全24話 |
| キャスト | 猫猫(マオマオ):悠木碧 壬氏:大塚剛央 高順:小西克幸 玉葉妃:種﨑敦美 梨花妃:石川由依 里樹妃:木野日菜 阿多妃:甲斐田裕子 梅梅:潘めぐみ 白鈴:小清水亜美 女華:七海ひろき やり手婆:斉藤貴美子 羅門:家中宏 李白:赤羽根健治 小蘭:久野美咲 やぶ医者:かぬか光明 馬閃:橘龍丸 風明:日髙のり子 羅漢:桐本拓哉 翠苓:名塚佳織 陸孫:内山昂輝 鳳仙:桑島法子 皇太后:能登麻美子 子昌:チョー ナレーション:島本須美 |
| スタッフ | 原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊) キャラクター原案:しのとうこ 監督・シリーズ構成:長沼範裕 副監督:筆坂明規 キャラクターデザイン:中谷友紀子 色彩設計:相田美里 美術監督:髙尾克己 CGIディレクター:永井有 撮影監督:石黒瑠美 編集:今井大介 音響監督:はたしょう二 音楽:神前暁 Kevin Penkin 桶狭間ありさ アニメーション制作:TOHO animation STUDIO×OLM 製作:「薬屋のひとりごと」製作委員会 |
| 主題歌 | OP1:「花になって」緑黄色社会 OP2:「アンビバレント」Uru ED1:「アイコトバ」アイナ・ジ・エンド ED2:「愛は薬」wacci |
| 公開開始年&季節 | 2023秋アニメ |
| 電子書籍 |
『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』電子書籍(コミック) 『薬屋のひとりごと』電子書籍(コミック) |
| 作品名 | 薬屋のひとりごと 第2期 |
|---|---|
| 放送形態 | TVアニメ |
| シリーズ | 薬屋のひとりごと |
| スケジュール | 2025年1月10日(金)〜2025年7月4日(金) 日本テレビ系にて |
| 話数 | 全24話 |
| キャスト | 猫猫:悠木碧 壬氏:大塚剛央 高順:小西克幸 玉葉妃:種﨑敦美 梨花妃:石川由依 里樹妃:木野日菜 小蘭:久野美咲 子翠:瀬戸麻沙美 姶良:Lynn 愛凛:原由実 羅半:豊永利行 神美:深見梨加 ナレーション:島本須美 |
| スタッフ | 原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊) キャラクター原案:しのとうこ 総監督・シリーズ構成:長沼範裕 監督:筆坂明規 副監督:中川航 脚本:柿原優子 千葉美鈴 小川ひとみ キャラクターデザイン:中谷友紀子 美術監督:髙尾克己(ARED) 色彩設計:相田美里 CGI ディレクター:永井有 撮影監督:鈴木麻予(T2 studio) 編集:今井大介 音響監督:はた しょう二(サウンドチームドンファン) 音楽:神前暁 Kevin Penkin 桶狭間ありさ アニメーション制作:TOHO animation STUDIO×OLM 製作:「薬屋のひとりごと」製作委員会 |
| 主題歌 | OP1:「百花繚乱」幾田りら OP2:「クスシキ」Mrs. GREEN APPLE ED1:「幸せのレシピ」平井大 ED2:「ひとりごと」Omoinotake |
| 公開開始年&季節 | 2025冬アニメ |
| 電子書籍 |
『薬屋のひとりごと(スクウェア・エニックス)』電子書籍(コミック) 『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(小学館)』電子書籍(コミック) 『薬屋のひとりごと』電子書籍(ラノベ) |